第四章 税及び財務に関する事項
第45条 企業所得税
外国投資資本を有する企業及び外国側経営協力当事者は、取得した利益の25パーセントの税率により、企業所得税を納付する。ただし、次条所定の場合を除く。
石油、ガスの探査及び開発並びにその他の希少天然資源については、企業所得税は、石油・ガス法及び関連法規の規定に従って実施する。
第46条 投資奨励の各場合における企業所得税
優遇企業所得税は、次のように適用される。
(1) 次の各目に掲げる標準の1つを満たすプロジェクトについては、20パーセントとする。
(a) サービス分野において活動する工業区内企業
(b) 前条並びにこの条第2号及び第3号樺閧フプロジェクトの種類に属しない生産プロジェクト
(2) 次の各目に掲げる標準の1つを満たすプロジェクトについては、15パーセントとする。
(a) 投資が奨励されるプロジェクトのリストに属するもの
(b) 困難な社会・経済的条件を有する地区への投資
(c) 輸出加工区内のサービス企業
(d) 製品の50パーセントを超えて輸出する工業区内企業
(e) 活動期間満了後にベトナム国家に対して財産を無償で移転するもの
(3) 次の各目に掲げる標準の1つを満たすプロジェクトについては、10パーセントとする。
(a) 前号所定の各標準の2つを満たすもの
(b) 投資が特別に奨励されるプロジェクトのリストに属するもの
(c) 投資が奨励される地区のリストに属する特別に困難な社会・経済的条件を有する地区へ投資するもの
(d) 工業区、輸出加工区又は高度技術区のインフラストラクチャ―開発企業及び輸出加工区内企業
(e) 医療検査・治療、教育・トレーニング及び科学研究の分野に属するもの
(4) 優遇企業所得税率の適用期間は、次のように規定される。
(a) この条所定の優遇企業所得税率は、次に掲げる標準の1つを満たすプロジェクトに対して、投資プロジェクトの実施期間を通して適用される。
① 投資が特別に奨励されるプロジェクトのリストに属するもの
② 投資が奨励される地区のリスト内の特別に困難な社会・経済的条件を有する地区に属するもの
③ 工業区、輸出加工区又は高度技術区のインフラストラクチャ―の開発
④ 工業区、輸出加工区又は高度技術区の区内への投資
⑤ 医療検査・治療、教育・トレーニング及び科学研究の分野に属するもの
(b) 10パーセントの企業所得税率は、プロジェクトが生産・経営活動を開始した時から15年間において適用される。ただし、この号(a)所定のプロジェクトを除く。
(c) 15パーセントの企業所得税率は、プロジェクトが生産・経営活動を開始した時から12年間において適用される。ただし、この号(a)所定のプロジェクトを除く。
(d) 20パーセントの企業所得税率は、プロジェクトが生産・経営活動を開始した時から10年間において適用される。ただし、この号(a)所定のプロジェクトを除く。
(5) 各プロジェクトは、前号(b)、(c)及び(d)所定の優遇税率の享受期間が満了した後に、25パーセントの税率で企業所得税を納付しなければならない。
(6) 外国に定住するベトナム人が外国投資法に基づいて、帰国して投資する場合には、同種のプロジェクトに比して企業所得税の20パーセントを軽減される。ただし、10パーセントの優遇税率を享受する場合を除く。
第47条 企業所得税の優遇税率を享受することができないプロジェクト
前条所定の税率は、ホテル及び賃貸オフィス・アパートの各プロジェクト(投資が奨励される地区への投資又は活動期間満了後にベトナム国家に対して財産を無償で移転する投資を除く。)並びに金融、銀行、保険、商業及びサービス提供の各プロジェクト(工業区、輸出加工区又は高度技術区内のプロジェクトを除く。)に対して適用しない。
第48条 企業所得税の減免
企業所得税の減免及び権 限は、次のように適用される。
(1) この議定第46条第(1)号所定の各プロジェクトは、経営が利益を有した時から1年間において企業所得税を免除され、かつ、当該1年に続く2年間において50パーセントを軽減される。
(2) この議定第46条第(2)号所定の各プロジェクトは、経営が利益を有した時から2年間において企業所得税を免除され、かつ、当該2年間に続く3年間において50パーセントを軽減される。
(3) この議定第46条第(3)号所定の各プロジェクト及び投資が奨励される地区への投資プロジェクトは、経営が利益を有した時から4年間において企業所得税を免除され、かつ、当該4年間に続く4年間において50パーセントを軽減される。ただし、8年間企業所得税を免除されるプロジェクトを除く。
(4) 投資が奨励される地区のリストに属する地区へ投資するBOT、BTO又はBT企業、高度技術企業、高度技術区内の高度技術サービス企業、特別に困難な社会・経済的条件を有する地区における植林プロジェクト及びインフラストラクチャ―の建設・経営プロジェクト並びに投資が特別に奨励される地区のリストに属する大規模プロジェクトで社会・経済へ大きな効用を与えるものは、経営が利益を有した時から8年間において企業所得税を免除される。
(5) 税の免除期間は、経営が初めて利益を有した年から連続して計算される。
(6) 上記企業所得税の減免措置は、ホテル及び賃貸オフィス・アパートの各プロジェクト(投資が奨励される地区への投資又は活動期間満了後にベトナム国家に対して財産を無償で移転する投資を除く。)並びに金融、銀行、保険、商業及びサービス提供の各プロジェクト(工業区、輸出加工区又は高度技術区内のプロジェクトを除く。)に対して適用しない。
第49条 企業所得税の優遇税率及び税の減免期間の調整
1 外国投資資本を有する企業又は外国側経営協力当事者が経営過程において、この議定第46条及び前条所定の優遇企業所得税率及び税の減免期間を享受するための各標準を達成しない場合には、投資許可証発行機関は、投資許可証に規定された税率及び税の減免期間を調整する。
2 財政部は、経営過程において天災、火災その他不可抗力により困難に遭遇した場合に対して現行規定に従って税の減免を決定する。
第50条 外国への利益送金税
1 外国投資家がベトナムにおける投資によって取得した利益(再投資により還付された企業所得税額及び資本譲渡により取得した利益を含む。)を外国へ送金し、又はベトナム国外に保持する場合には、外国への利益送金税を納めなければならない。
2 外国への利益送金税の税率は、次のように適用される。
(1) 次の各目に掲げる者については、外国に送金する利益の3パーセントとする。
(a) ベトナム外国投資法の規定に基づき帰国して投資する外国定住ベトナム人
(b) 工業区、輸出加工区又は高度技術区内へ投資する外国投資家
(c) 1000万米ドル以上を法定資本又は経営協力契約実施資本へ出資する外国投資家
(d) 投資が奨励される地区に属する特別に困難な社会・経済的条件を有する地区へ投資する外国投資家
(2) 500万米ドル以上1000万米ドル未満を法定資本又は経営協力契約実施資本へ出資する外国投資家並びに医療検査・治療、教育・トレーニング及び科学研究に属するプロジェクトへ投資する外国投資家については、外国に送金する利益の5パーセントとする。
(3) 前両号所定の場合に属しない法定資本又は経営協力契約実施資本へ出資する外国投資家については、外国に送金する利益の7パーセントとする。
3 利益送金税は、利益の送金の各回に徴収される。
4 外国投資家が外国への利益送金税を納付したけれども、その後に外国へ送金しない場合には、納付した税額は、還付される。
第51条 再投資の場合における企業所得税の還付
1 ベトナムにおける投資活動からの利益その他の適法な所得を使用して、実施しているプロジェクトへ再投資し、又は外国投資法に基づいて新しいプロジェクトへ投資する外国投資家は、次の各号に掲げるすべての条件を満たす場合には、再投資に用いた利益額(石油・ガス法によって規定される場合を除く。)の既に納付した企業所得税の一部又は全部を還付される。
(1) この議定第46条所定の企業所得税に関する優遇を享受することができるプロジェクトへ再投資する。
(2) 再投資の資本が3年以上使用される。
(3) 投資許可証に記載された法定資本又は経営協力契約実施資本へ不足なく出資した。
2 ベトナムにおける再投資に用いる利益額に対する企業所得税の還付は、次のように規定される。
(1) 10パーセントの企業所得税率を享受できるプロジェクトへ再投資する場合には、100パーセント還付
(2) 15パーセントの企業所得税率を享受できるプロジェクトへ再投資する場合には、75パーセント還付
(3) 20パーセントの企業所得税率を享受できるプロジェクトへ再投資する場合には、50パーセント還付
3 外国投資家は、利益を使用して再投資する要求を有する場合には、企業所得税の還付につき審査を受けるため、財政部に対して次の各号に掲げる書類を作成して提出する。
(1) 再投資による企業所得税の還付申請書
(2) 利益を再投資のため3年以上使用する旨の約定
(3) 外国投資家が法定資本又は経営協力契約実施資本へ不足なく出資した旨の合弁企業管理会議、外国投資家又は経営協力各当事者からの保証
(4) 投資許可証の写し
(5) 納付した企業所得税額に関する税務機関からの証明書
4 財政部は、適式な書類を受領した日から15業務日以内に、外国投資家に対して自己の決定を通知する。承認された場合には、外国投資家は、再投資のため使用する自己の利益部分に対する企業所得税の還付手続をすることができる。上記期間が経過したにもかかわらず、財政部が決定を下さず、又は承認しない場合には、財政部は、外国投資家に対して書面により通知して、理由を明確に述べなければならない。
再投資登記された利益額が再投資のため使用されない場合には、外国投資家は、還付された企業所得税額に再納付するべき税額に対する貸付利率により算出された利息を加算した金額を再納付しなければならない。
第52条 資本の譲渡に対する企業所得税
資本の譲渡は、外国投資法第33条の規定に従い実施され、かつ、次の各号の規定に従う課税対象であ る。
(1) 資本の譲渡により利益が発生する場合には、譲渡側当事者は、取得した利益の25パーセントの税率で企業所得税を納付する。
(2) 課税利益は、譲渡価値から譲渡資本部分の当初価値及び譲渡費用(有する場合)を差し引いた額とする。
譲り受けた外国投資家が自己の資本部分を再譲渡する場合には、初回の譲渡以降の譲渡資本部分の当初価値は、直前の譲渡契約の譲渡価値に追加出資部分(有する場合)の価値を加算して確定される。
(3) 投資許可証発行機関が資本譲渡契約を確認して投資許可証の調整を採択した後に、資本の譲渡側当事者又はその者から委任された者は、地方の税務機関に対して、税務機関の規定に従った関係書類を添付して資本の譲渡活動に係る税の申告書を提出しなければならない。
第53条 課税年度
外国投資資本を有する企業及び経営協力各当事者に対する課税年度は、太陽暦の1月1日に始まり、12月31日に終わる。
外国投資資本を有する企業及び経営協力各当事者は、企業所得税を計算し、かつ納付するために、自己の12か月の財務年度を採用する旨を財政部に提議することができる。
第54条 企業所得税の課税利益
企業所得税の課税利益は、課税年度内における総収入金額と総支出金額との差額にその他の付加的収入金額を加えて、外国投資法第40条の規定に従って、繰り越された欠損を差し引いた金額であ る。企業所得税の課税利益は、本店の課税利益に企業の付属基礎(有する場合、訳者注:支店等を指す。)の課税利益を加えたものであ る。
企業所得税の課税利益の確定は、企業所得税法第9条の規定に従って実施する。外国投資資本を有する企業及び経営協力各当事者は、ベトナムの組織及び個人のため、慈善及び人道上の目的による各種活動に対する合理的支援拠出金であ ると税務機関によって確定された支出金を経費に組み入れて計算することができる。
第55条 欠損の繰越し
外国投資資本を有する企業及び外国側経営協力各当事者は、活動の過程において、税務機関に対する税の決算後に欠損が発生した場合には、当該欠損を翌年に繰り越すことができる。当該欠損額は、課税所得から控除することができる。欠損の繰越期間は、5年を超えない。
第56条 企業基金の積立て
外国投資資本を有する企業は、企業所得税を納付し、かつその他の財政義務を履行した後に、残存利益から控除して、準備基金、福利基金、生産拡張基金その他企業の決定に基づく基金を積み立てる。
第57条 輸入物品に対する輸入税の免除
1 外国投資資本を有する企業及び経営協力各当事者は、次の各号に掲げる固定資産を形成するための輸入物品について、輸入税を免除される。
(1) 設備、機械
(2) 技術ラインの中で使用される専用輸送手段及び従業員の送迎のための専用輸送手段(24座席以上の自動車及び水路輸送手段)
(3) コンポーネント、基本部品、分離可能部品、スペアパーツ、アクセサリー、金型並びに機械、設備、輸送手段及び前号所定の専用輸送手段の付属品
(4) 技術ライン内の設備及び機械を製造するための、又はコンポーネント、基本部品、分離可能部品、スペアパーツ、アクセサリー、金型及び機械若しくは設備の付属品を製造するための輸入原材料及び物資
(5) 国内で生産されていない建設物資
2 BOT、BTO又はBTプロジェクトの実施のため輸入される原材料及び物資並びに農業、林業又は漁業のプロジェクトの実施のため輸入を許可された植物種子、家畜用動物及び特殊農薬は、輸入税を免除される。
3 前両項所定の輸入物品に対する輸入税の免除は、プロジェクト規模の拡張、技術の変更及び技術の革新の場合にも適用される。
4 ホテル、賃貸オフィス・アパート、住宅、ビジネスセンター、技術サービス、スーパーマーケット、ゴルフコース、観光リゾート、スポーツセンター、遊楽・娯楽センター、医療検査・治療施設、トレーニング、文化、金融、銀行、保険、会計監査及びコンサルティングサービスの分野の外国投資資本を有する企業又は経営協力各当事者は、この条第1項及び前項所定の税の免除が適用される。ただし、この議定の付属書の規定に基づき、1回のみ輸入税が免除されて輸入することのできる設備を除く。
5 この議定の付属書に規定される投資が特別に奨励されるプロジェクトのリストに属するプロジェクト又は特別に困難な社会・経済的条件を有する地区へ投資する外国投資資本を有する企業又は経営協力各当事者は、生産開始から5年間において生産原材料に対する輸入税を免除される。
6 機械、電気又は電子のコンポーネント又は部品を生産するため投資する外国投資資本を有する企業又は経営協力各当事者は、生産開始から5年間において生産原材料に対する輸入税を免除される。
7 輸出製品生産のため輸入する原材料、分離可能部品、部品及び物資は、輸入税を免除される。
8 政府首相の決定に基づく投資が特別に奨励されるプロジェクトのため使用される物品及び物資は、輸入税を免除される。
9 商業部又は商業部によって権 限を委譲された機関は、投資許可証、フィージビリティスタディ・レポート及び技術設計に基づいて、免税輸入物品のリストを決定する。上記輸入物品は、ベトナム市場において転売してはならない。ベトナム市場における転売を必要とする場合には、商業部の認可を取得し、かつ、法規の規定に従って関係する税を納付しなければならない。
第58条 輸出製品の生産のため輸入する原材料及び物資並びに輸出製品を生産する企業に対して販売する製品の生産のための原材料に対する輸入税
1 輸出製品を生産する外国投資資本を有する企業又は経営協力各当事者は、輸出製品の生産のため輸入する原材料及び物資について、輸出入税法に規定された期間内に輸入税を暫定的に納付しないことができる。生産要求又は生産周期による若干の輸出製品については、当該暫定的未納付期間は、財政部によって決定される。
上記期間を徒過した場合には、外国投資資本を有する企業又は経営協力各当事者は、輸入税を納付しなければならず、製品の輸出時に輸出製品の比率に相当する比率に従って輸入した原材料及び物資の輸入税を還付される。
2 輸出製品を直接に生産する他の企業に対して自己生産した製品を販売する外国投資資本を有する企業又は経営協力各当事者は、当該製品に相当する原材料に対して輸入税を免除される。
第59条 輸入税の課税価格
輸入税を課税される物品に属する輸入物品の輸入税の課税価格は、輸入物品のインボイスに記載された価格により確定される。インボイスを有しない場合には、輸入税課税価格は、財政部の規定に従って確定される。
第60条 付加価値税
1 外国投資資本を有する企業及び経営協力各当事者は、輸出製品の生産のため輸入する原材料及び物資について、輸出入税法の規定に基づき輸入税を暫定的に納付しない期間内に付加価値税も暫定的に納付しないことができる。
2 外国投資資本を有する企業及び経営協力各当事者は、次の各号に掲げる輸入物品について付加価値税の納付を必要としない。
(1) 外国投資資本を有する企業の固定資産を形成し、又は経営協力契約を実施するため輸入され、かつ、国内で同種のものが生産されていない技術ラインに含まれる設備、機械及び専用輸送手段
付加価値税の非課税対象に属する輸入設備・機械ライン一式に国内で生産された設備又は機械が含まれる場合には、当該設備・機械ライン一式全体に対して付加価値税を課税しない。
(2) 外国投資資本を有する企業の固定資産を形成し、又は経営協力契約を実施するための建設物質で国内で生産されていないもの
(3) 輸出製品を直接に生産する他の企業に対して提供する製品を生産するため輸入する原材料
第61条 固定資産の償却
外国投資資本を有する企業及び経営協力各当事者は、財政部の規定に従い、固定資産の償却を実施する。