第九章 土地並びに工事の建設、入札、検収及び決算
第85条 土地賃貸及び賃料の支払
外国投資資本を有する企業及び経営協力各当事者は、投資プロジェクトの実現のために、ベトナム国家から土地を賃借することができ、かつ、財政部の規定に従い賃料を支払わなければならない。
第86条 賃料率及び賃料の減免
財政部の規定する賃料額の枠及び賃料の減免条件に基づき、省級人民委員会は、各プロジェクトの賃料率及び減免を決定する。賃料率は、少なくとも5年間維持し、増額しない。増額調整する場合には、増額の程度は、前回の調整と比較して15パーセントを超えない。
国家の土地を賃借する外国投資資本を有する企業及び経営協力各当事者がプロジェクトの全期間又は何年分かの賃料を既に支払っている場合において、当該期間中に賃料増額の決定がなされても、既払賃料は、これを再調整しない。
第87条 工業区、輸出加工区又は高度技術区における土地賃貸に関する規定
1 インフラストラクチャーへの投資がインフラストラクチャー開発企業によりなされている工業区、輸出加工区又は高度技術区内の投資プロジェクトについては、土地の賃料、既にインフラストラクチャーが開発された土地の賃貸又は転貸賃料及びインフラストラクチャー使用費の支払いは、インフラストラクチャー開発企業と締結した契約に従い行われる。
2 工業区、輸出加工区又は高度技術区において土地を賃借し、又は転借する外国投資資本を有する企業及び経営協力各当事者は、国家地政総局の指導に従い土地使用権 証が発給される。
第88条 土地の賃貸を決定する権 限
政府首相は、5ヘクタール以上の都市の土地又は50ヘクタール以上の他の種類の土地を使用するプロジェクトに対する土地の賃貸を決定する。省級人民委員会は、その他のプロジェクトに対する土地の賃貸を決定する。
第89条 土地の補償、整地及び賃貸書類
1 ベトナム国家によって土地賃貸が行われる場合には、投資プロジェクトの位置する省級人民員会は、補償し、整地し、かつ、土地賃貸手続を完成することの実現の組織に責任を負う。補償及び明渡しの費用は、プロジェクトの投資総額に算入される。省級人民員会は、賃借企業と土地補償及び明渡し実現のための資金財源に関して合意する。
2 ベトナム側当事者が土地使用権 価値により出資する場合には、補償し、整地し、かつ、手続を完成し、もって土地使用権 を取得することに責任を負う。補償及び整地に関する実現費用については、ベトナム側当事者の出資の一部に算入され、又は各当事者が合意する。
3 補償の単価は、国家の一般規定に従って実施する。
4 省級人民委員会が投資許可証を発行するプロジェクトについては、土地賃貸の審査は、投資許可証発行審査と同時に行う。
5 計画投資部が投資許可証を発行するプロジェクトについては、投資許可証発行申請書類に添付される土地賃貸の申請書類は、次の各号に掲げる内容を含む。
(1) 使用地の位置及び面積
(2) 省級人民委員会が財政部の規定した賃料額の枠に基づき提案した賃料率
(3) 土地補償及び整地方案
6 土地賃貸又は転賃の手続及び書類は、地政総局の指導に従い実施する。
第90条 賃料の計算期間及び土地使用権 価値による出資
外国投資資本を有する企業及び経営協力各当事者が投資プロジェクトを実現するため土地を賃借する場合、又はベトナム側当事者が土地使用権 価値により出資する場合には、賃料又はベトナム側当事者の出資価値が計算される期間は、土地が実際に明け渡された日から起算される。
第91条 土地賃貸に関する優遇
外国投資資本を有する企業及び経営協力各当事者は、労働者に対する住宅及び土地境界外のインフラストラクチャー施設の建設に投資する場合には、最低賃料率で賃借することができ、かつ、各種税について免除され、又は最大の軽減を受けることができる。最低賃料率は、医療検査・治療、教育・トレーニング及び科学研究の分野にも適用される。
第92条 土地使用権価値及び土地に付着する資産に対する抵当権 の設定
1 外国投資資本を有する企業は、次の各号に掲げる場合には、法規の規定に従い、経営資金を借り入れるため、信用組織に関する法律の規定によるベトナムの信用組織、ベトナムで活動している外国銀行の支店及びベトナムと外国との合弁銀行に対し、土地の賃借又は転借の期間において土地使用権 価値及び土地に付着する資産に抵当権を設定することができる。
(1) 外国投資資本を有する企業が何年かの間の賃料を既に支払い、かつ、賃料支払済期間の内の少なくとも5年が残存している。
(2) ベトナム側当事者が土地使用権 価値により出資した合弁企業であって、かつ、土地使用権価値による出資の期間の内の少なくとも5年が残存している。
2 抵当権が設定される土地使用権 価値は、補償及び整地の費用並びに支払済賃料を含み、使用済期間に相当する賃料額が控除される。
3 土地使用権価値に対する抵当権 設定に係る書類及び手続は、地政総局及びベトナム国家銀行の指導に従い実施する。
第93条 土地使用権価値及び土地に付着する資産に対する抵当権 の解除
1 土地使用権価値及び土地に付着する資産による抵当権 が付された債務に関する弁済義務が完了したときは、外国投資資本を有する企業は、法規の規定に従い抵当権 の解除を実現する。
2 外国投資資本を有する企業が借入契約どおりに債務弁済義務を履行しなかった場合には、抵当権 が設定された資産は、法規の規定に従い処分される。
3 法規の規定による抵当権 に起因して適法な土地使用権を取得した組織又は個人は、投資プロジェクトを実行するため、投資許可証の規定に従い当該土地の使用を継続することができ、かつ、活動目標が変更され、又は補充された場合には、投資許可証発行機関により承認されなければならない。
第94条 外国投資資本を有する建設工事の管理
外国投資資本を有する建設工事の管理は、次の各号に掲げる内容に従い実行される。
(1) 建設工事の規画及び建築の査定
(2) 技術設計の査定
(3) 建設入札実行の検査並びに落札者に対するコンサルティング及び建設の許可証の発行
(4) 建設工事の品質管理
第95条 規画及び建築方案の査定
投資許可証発行申請書類には、建築方案を具現した初歩設計を添付しなければならない。
工事の規画及び建築方案の査定は、投資プロジェクトの査定の過程で実施される。
第96条 技術設計の査定の内容
建設工事設計は、次の各号に掲げる内容に従い査定される。
(1) 設計組織の法的資格
(2) 承認されたプロジェクト及び規画中の査定済の規画及び建築に対する設計書類の適合性
(3) ベトナムの技術設計及び建設の規準及び標準又は建設部により承認された外国の技術標準の遵守性
第97条 技術設計の査定権 限及び建設の決定
技術設計の査定権 限は、次の各号の規定による。
(1) 建設部は、小規模の、及び簡単な建設工事を伴うプロジェクトを除き、この議定の第114条所定のグループAのプロジェクトに属する技術設計を査定する。省級人民委員会は、その他のプロジェクトの技術設計を査定する。
建設部は、技術設計の査定を指導する。
(2) 技術設計の査定及び投資家への通知は、適式な書類を受領した日から20業務日の期間内に行われる。技術設計が承認された後に、投資家は、工事を施工することができる。
上記の20業務日の期間が経過しても設計査定機関がその決定を投資家に通知しない場合には、投資家は、提出された技術設計書類に従い工事を施工することができる。
(3) 投資家は、遅くとも建設工事着工日の10日前までに、建設工事の位置する省級人民委員会に対して工事着工日を通知しなければならない。
第98条 工事に対する責任
1 投資家は、建設工事の期間及び工事の目的物の使用期間において、工事の品質及び安全、火災及び爆発に対する防止及び対応並びに環境保護に関してベトナム法上の責任を負う。
2 実地調査・設計組織及び建設請負人は、工事の品質に関係する各自の作業に関して投資家に対して、及びベトナム法上の、責任を負う。
第99条 工事の目的物の使用のための引渡し
建設工事が終了した後に、投資家は、建設工事の完成を工事設計査定機関に対して報告するものとし、かつ、工事の目的物を使用のために引き渡す旨が許可される。必要な場合には、当該機関は、工事の目的物の検査をする。承認された設計又は建設に関する規定に係る違反が発見された場合には、法規の規定に従って処理される。
第100条 外国投資を伴うプロジェクトの入札に関する規定
1 法定資本又は経営資本の30パーセント以上についてベトナムの国営企業の参加のあ る合弁企業及び経営協力契約は、入札に関する法規の規定に従い物品の調達及び建設・据付けに係る入札を組織しなければならない。合弁企業の管理会議及び経営協力各当事者の正式に授権 された代表者は、投資許可証発行機関の同意意見に基づき、入札計画及び入札結果の承認に責任を負う。
2 前項所定のプロジェクトを除き、その他のプロジェクトの投資家が入札に関する法規の規定に従い入札を組織することは、これを奨励する。
第101条 工事の決算
1 建設工事が完了し、又は工事の目的物が操業・使用のために引き渡された日から6ヵ月以内に、外国投資資本を有する企業及び経営協力各当事者は、工事決算報告を投資許可証発行機関に提出する。投資家は、決算報告の真実性及び正確性につき責任を負わなければならない。
2 工事決算報告の受領から30日以内に、投資許可証発行機関は、工事決算報告を審査し、かつ、工事決算報告登記確認証を発行することにつき責任を負う。
必要な場合には、投資許可証発行機関は、投資総額決算報告を査定し、かつ、合理的な費用に従い投資総額を調整するよう要求することができる。
3 建設が完了し、かつ、工事の目的物の全部が使用のために引き渡された日から6ヵ月以内に、投資家は、法規の規定に従い、保存のため、完工書類を提出しなければならない。
4 工事の目的物の所有権 の確認は、法規の規定により行われる。
第102条 清算
1 投資家は、工事の据付け及び建設のための輸入機械、設備原料及び物料に係る清算手続を行うため、登記確認済の工事決算報告を税関機関に対して提出する。
2 投資家は、プロジェクト工事の据付け及び建設のために輸入物品を使い果たしていない場合には、処理のため、投資許可証発行機関及び税関機関に対して報告する。当該物品は、商業部の承認を得た場合に限り、国内の市場において転売することができ、かつ、法規の規定に従い関係する財政義務を履行しなければならない。
第103条 土地境界外の技術インフラストラクチャーに対する支援
政府は、外国投資資本を有する企業又は工業区、輸出加工区若しくは高度技術区の境界までの技術インフラストラクチャーの開発を支援することを保証する。必要な場合には、技術インフラストラクチャー建設・経営企業は、技術インフラストラクチャーの建設のための前渡 金その他の方式に関して、工業区、輸出加工区若しくは高度技術区のインフラストラクチャー企業又は外国投資資本を有する企業と合意することができる。